MMRワクチンは北米、南米、ヨーロッパ、オーストラリア、台湾、香港、韓国、シンガポールで乳幼児に定期接種として普通に使用されているワクチンです。

効果と安全性のデータも豊富にありますが国が認めたワクチンではないので日本国内では未承認ワクチンとなります。なお、MRワクチンを使用しているのは日本だけですので国産の製品しかありません。海外ではMMRワクチン、もしくはMMRに水痘も含んだMMRVワクチンの使用が通常です。

MMRワクチンは国内未承認ワクチンですが、世界では通常に使用されているワクチンであることをご理解下さい。

1. MMRワクチンの必要性

2007年~2008年の麻しん大流行は10-29歳代、2013年の風しん大流行の大部分(約80%)は20-40歳代の男性でした。日本では大人のワクチン接種は海外のように十分定着しておらず、妊婦さん、そのお腹にいるあかちゃんを守るため、その周囲で流行を止める必要があります。

日本はワクチン後進国であり、ワクチンによる予防と言う点において他の先進国から大きく遅れています(これを「ワクチンギャップ」と言います)。その影響もあり日本の成人が保有する各ウイルス抗体価も低く、各抗体価を高く保つ措置が必要と考えられています。

近い将来、大都市を中心として再び麻しん、風しんの小流行は必ず起こると考えられています。またおたふくかぜも小児期に罹患したと思っていても実際は罹患していなかったことも多く抗体価を高める必要性があります。今後の流行に備えて、ワクチンギャップを埋める意味も込めて、家族を含めた周りの方のためMMRワクチンの接種をお勧めします。

2. 当院で使用するMMRワクチンについて

接種料金;1回8640円 (為替レート変動などで、変更する可能性があります)
薬剤名;Priorix 0.5mL
製造元;グラクソスミス・クライン(GSK)社
製造国;ベルギー
輸入商社;
インターナショナルメディカルマネージメント http://www.imm-c.com

3. 副反応

軽いもの;倦怠感、発熱、発疹
重いもの;アナフィラキシー反応(重いアレルギー反応)、一時的なリンパ腺の腫れ、関節の痛み、血小板減少
但し重いものは非常に稀

Western Australia州(オーストラリア)での報告(いずれも小児)
○血小板減少 1/3万人
○アナフィラキシー反応 1/100万人 以下
○脳炎 1/300万人
*但し自然感染した場合の脳炎のリスクは麻しんでは1/1000-2000人、風しんでは1/6000人

GSK社の資料
承認する際の臨床試験では12000接種(初回)を42日間観察
接種部位の発赤7.2%、発疹7.1%、39.5℃以上の発熱6.4%、接種部位の痛み3.1%、接種部位の腫れ2.6%、耳下腺の腫れ、0.7%、熱性痙攣0.1%

4. MRワクチン、MMRワクチンの違い

chart_mr_wakuchin2この資料は、国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター トラベルクリニックの資料を参考にさせていただきました。

平成27年8月20日 なかの医院 中野厚志